Leica
Z2X
近所のカメラのキ○ムラに行った。入り口付近のデジカメプリントのコーナーは賑わっている。ちょっと奥には1本98円のカラーネガフィルムがワゴンに山積み。問題なのは一番奥の中古カメラコーナー。なにやら見慣れぬカメラの姿が。早足で向かうと、ライカの赤いロゴが目に入った。
Leica Z2X。ライカのコンパクトカメラは完全に射程圏外だったので虚を衝かれる。
ウインドウ越しにじっと見やると、大柄で楕円を基調としたボディデザインは微妙に垢抜けないが、そこがドイツっぽくもあり、正面のLeicaのロゴでなんとかライカの威厳を保っている。

店員さんを呼んでケースから出してもらうと、チタンカラーのボディはプラスチックで持つと軽く、その安っぽさに拍子抜けする。けれども、弄っているうちにバルナックやM型の精密な高級感など微塵も感じられないことが、なんだか逆に面白くなってきた。
スペックはごく平凡なもの、いやこの時代のカメラとしてはむしろロー・スペックである。
Vario-Elmarの名が与えられた6群7枚のズームレンズは35−70mm F4−7.6。広角側に物足りなさを感じるし、その写りもとりたてて書くようなことがない普通のコンパクトカメラもの。
撮影モードは多彩で、スローシンクロや赤目軽減、+2EVの逆光補正、無限遠固定、バルブは最長99秒まで可能。ケーブルレリーズを取り付けることもできる。シャッターボタンを押し続けると連続撮影が行える。AFはパッシブ式。
言うまでもないが日本製であり、松下の系列のウエスト電機あたりが生産していたのではないかと思われる。同じくバリオエルマー名のレンズが搭載されたパナソニックのデジカメ(これもウエスト電機が生産)はこのカメラの末裔と言えるかもしれない。

当時このカメラを買った人は、いったい如何なる動機でこれを選んだのだろうか。カメラに詳しくない人がライカというブランドに惑わされたのか、それともブランド銘だけが突出したこのカメラの俗物性に目を付ける天邪鬼な上級者か。
発売当時の価格は43,000円。この平凡な価格が最も俗物的。
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LEICA Z2X